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レポート・コラム

2012/4/29 「やまなし環境会議」講演会

2012年4月29日に,「やまなし環境会議」の講演会が山梨県立大学を会場に開催されたので,参加してきました。

日本環境会議(http://www.einap.org/jec/)理事長の淡路剛久さん,日本ペンクラブ会長で作家の浅田次郎さんをお迎えするという,たいへん豪華な顔ぶれでした。お二人がそれぞれ1時間ほど講演され,その後ディスカッションをするという内容でした。

淡路さんは法学者の立場から長らく環境問題に関わってこられた方です。講演では「環境,人,法」と題して,「法はどう公害・環境問題に対応してきたか」というテーマをめぐってのお話となりました。

法には,「支配とコントロールの道具」と「権利を守る道具」という2つの側面があるが,日本の法制度は行政の権限・裁量が強く,支配とコントロールの要素が強く,ひとたび環境破壊・被害が発生した際,人々の権利を守るために特別なリーダーやパイオニアが運動を起こしてきた,といいます。そうした存在として,田中正造,関右馬允(関天洲),田尻宗昭といった人のお名前が挙げられました。そして最後に,「英雄から我々へ」ということで,そうした先達から勇気をもらって我々が一歩前へ踏み出さなくてはならない,と締めくくられました。

浅田さんの講演は「文学と環境」というテーマで,近頃の小説に季節感がなくなった,それは作家が鈍感になったからだ,という話から始まりました。俳句に季語が欠かせないように,日本の文学において天然描写は重要な要素である,と。そして,自然を感じる上でも早起きがよい,仕事もはかどる,日本中早寝早起きすればこの上ない節電である,と話されたのち,話は一転して原発の話になりました。

浅田さんはこのたび4月にチェルノブイリに行ってきたのだそうです。東日本大震災と原発事故に衝撃を受けた浅田さんは,実情をよく観察して伝えることがもの書きとしての使命であり本分だということから,これまで被災地をじっくりまわってきたそうです。チェルノブイリではシェルターに泊まり,石棺の200mまで肉薄し,人々の体験に耳を傾けてきたとのことでした。こうした経験をふまえて,現時点での原発の再稼働はありえない,と主張されたのは説得力がありました。

最後のディスカッションもやや時間不足ながら興味深い内容で,有意義な会でした。せっかく山梨県立大学が会場だったのに学生の参加者がほとんどいなかったのは残念でした。

編集長

2012年5月10日| レポート,レポート・コラム

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